【ネタバレ有】新海誠監督『天気の子』が〇〇だった話

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良かったですね!

もうこすして文章を長々書いてしまうほどに良かったです!!

前回の監督の作品と言えば『君の名は』で「僕たち(私たち)入れ替わってる!?」の性別入替と時間軸の要素を含んだものでした。とても万人受けしやすいネタが散りばめられており、笑いと感動をもらったことを今でも憶えてます。(なんのスピーチだ

今回は、新海誠のDTムーブ的演出が好き嫌いで少し別れる作品になったと思います。
個人的にはとても良かったし、ドキドキワクワクしたし、映像の綺麗さにも目どころか呼吸を奪われました。

高クオリティな映像作品といえば幾つかしかないスタジオでしか作れない気がしていますが、その中の1つ京都アニメーションが悲しい事件と一言で表していいかわかりませんが言葉にできることもなく、、、本当に残念かつ惜しいこととなりましたが、こうした薄利なものに”命”や”感動”を添えて提供してくれる事に感謝だなと改めて感じました。お金余裕あったらちゃんとDVD買って貢献しますね。(><)

さて、ここからはネタバレトークとなります。
見てない人は、回れ右!してほしいです。
やはり名作は見てもらいたい!!
”感動”を提供してくれているものは”見る”ことがまず第一の貢献かと思います。
その上で”お金を渡す(使う)”ことが第二の貢献かなと勝手に思っています。













端的に言えば、

自分のしたいことがわからず都会に飛び出してきた主人公『森嶋帆高』と、
天気の巫女となってしまったヒロイン『天野陽菜』との現代ファンタジー、ラブロマンス作品でした。

帆高
森嶋帆高
陽菜
天野陽菜

物語のあらまし

難しい要素も無く、全編わかりやすい構成となっています。

日本は未曾有の雨に見舞われており、その雨は止む気配が無い。
その中で陽の光を見た帆高は誘われるように都会へ向かう。

家出少年の帆高が都会の冷たい風に煽られながらもバイトを必死で探す。
都内でライターをしているおじさんのもとで働き、自分の生活を掴み取っていく。
バイト探し中に出会った陽菜が、割の良いバイトとして体験入店しそうになるのを止める。
その後、陽菜が見せた天気を局地的に晴れにできる力を見て、帆高はお金を稼ぐ為に”晴れるサービス”をインターネットで展開。
それはとてもうまく行き日々サービス提供に奔走していきます。

ここで”雨雲”ー”晴れ”や”青空”の演出を持って、自分たち人間はこんなにも天気と心が繋がっていることなどを伝えていきます。

そして物語は転機を迎えます。

陽菜のような天気を操るような存在が大昔に存在し”天気の巫女”として呼ばれていたこと。
”天気の巫女”は人身御供で力を使うことには代償があり、最終的には神に捧げられていくものであること。
この2つを知り、陽菜は自分の身体に起こっている異変の理由に気づきます。
帆高はそれを知らないまま、一緒に行動する陽菜にどんどん惹かれていきます。

”晴れるサービス”が話題になり、大きな依頼をこなした際に、とうとうTVに映ってしまい、依頼も殺到、受けきれない上、陽菜も疲れているのでサービスを辞めることにした陽菜と帆高。
陽菜は自分の存在意味がわかったような気がすると帆高に告げ、そして自分が”晴れ女”になった理由を話します。
それは病気で入院中のお母さんと弟と『3人で青空を歩きたい! 』という願いを持って、廃ビル(当時は現役)の屋上にある鳥居をくぐったことだと伝えます。
そして自分の身体に異変が起きてること”天気の巫女”の話を帆高にします。
帆高はもう”晴れるサービス”も辞めるしこれからは大丈夫だと話します。

だがしかし、序盤で偶然にも拾い陽菜を助ける為に使ってしまった実銃と、親からの捜索願いにより警察が動き出し、 帆高のバイト先に陽菜の自宅に警察が訪ねてきます。
その際に、両親を亡くして弟と自分の二人暮らしだった陽菜は、おまけのように児童相談所の人を後日連れてくると言われ、弟と離れるくらいならと出ていく決意をします。
バイト先からも誘拐扱いされると不味いからと退職金代わりに実家に帰れるだけのお金を渡される帆高ですが、陽菜へ寄せる気持ち、こうしてしまった責任感、自分自身帰りたく無い気持ちを全て抱えて3人で逃げよう!と遠くへと駆けていきます。

空はどんどん不穏な状態となり雪も降り始める中、警察を巻いてなんとか逃げていく3人。
宿泊したホテルで帆高は陽菜の誕生日にと買った指輪を渡します。
陽菜はそれを嬉しそうに受け取った後に、今にも消えてしまいそうな自分の身体の状態を伝え、恐らく不安や憤りやら複雑な感情で陽菜と抱き合いながら泣き崩れる帆高。

そのままホテルで寝てしまい朝起きると陽菜は既に消えており、慌てて探さないとと思う 帆高のもとに警察がやってきて、なすすべなく捕まってしまいます。
連行されていく中、外に出ると天気は”晴れ”。
陽菜?と空を見上げようとする帆高のもとに昨晩陽菜に渡した指輪が”空から”落ちてくる。陽菜が人身御供となってしまったことを理解し悲しみに打ち震える帆高。
警察署に付き事情聴取をするための部屋に連れ込まれる前に「陽菜を探しにいきたい!」と話すが、警察は勿論信じずいいから入れと入れられようとするが、ここで帆高は抵抗し、走りだす!

紆余曲折なんとか陽菜が話していた”晴れ女”になった場所、廃ビルの鳥居に辿り着くと、陽菜に会いたい思いを抱いて鳥居を潜る。
鳥居を潜るとそこは空。雨雲を貫き陽菜と再会する。
そして陽菜と共に地上に向かって落ちていく二人。
陽菜の中にはこのまま一緒にいたい、生きたい気持ちと、天気を晴れさせたい、晴れた先の人々の幸せそうな顔が浮かび、私がいなくなるとまた雨になってしまうと悩みます。
そこを帆高が、そんなこと知らない!陽菜がいてくれればいい!!と世界よりも自分の好きな女の子を優先すると断言します。
それを聞いた陽菜は決意を固め、天気や世界よりも自分の好きな人と生きていく道を選び取ります。
二人は大地に落ちることなく、鳥居の前で倒れる形で地上に戻ります。

そして3年、雨は止むことがなく、日本の多くは水に沈みます。
観察処分の身であった帆高は実家の中学を卒業して再び東京へ。
3年間一切の連絡もとらなかった陽菜といきなり再開する勇気が持てず、まだ断っていなかった ”晴れるサービス”のお客様のもとへ行ったり、バイト先に行ったり等していきます。

その中で日本はもともとほとんど水の中だったから戻っただけ言われたり、世界をこうしてしまった責任なんて勘違いだ気にするなと言われたり、色々慰められ、それでいいのか?という気持ちを抱きつつも、陽菜の自宅へ行く帆高。

自宅へ行く道すがら空に祈りを捧げている陽菜を見て、そうじゃない!自分が選んだんだ!天気より世界より陽菜を!と陽菜を抱きしめに駆け出し、その姿を見た陽菜もまた駆け出し物語は終わっていきます。

自分がこの作品を通して感じたこと

これを見終わった時に一件ハッピーエンドだし、とても美談に感じるのですが、心には少しもやっとしたものが残るんですよね。

実際にはトゥルーエンドで、幸せもあれば不幸もあって、円満に終わってはいない訳です。

・二人は強くお互いを思い合っており無事に再開ができた

ここはハッピーですね。とても幸せで理想なエンディングだと思います。
あれだけ強い経験を乗り越えてきた二人は現実の荒波と戦ってでも添い遂げると信じたいです。(笑)
現実なかなか凄い体験しても別れる時は別れるとか、そんなちゃちゃは想像したくないですね(=w=

・結局天気は雨のままいつ止むとも知れない

この事実は今後の二人に大きく圧し掛かるでしょう。
周りはどう言おうとも、不思議な経験を実体験として強く持ってしまった二人は、性格も良いですし責任感に苛まれながら人生を歩むことになると思います。
世界を救うのか日本を救うのかはわかりませんが、そうしたこの現状の問題を解決していく人生の道が強く敷かれたと思います。
また最悪救えなければ住む場所にも追われることになりますし、最悪世界は水に沈みます。その時ちょっとした噂が立てば、世界規模ではなくとも周囲からの冷たい目線や仕打ちもあるかもしれません。

個人的に良かったと思うのは、映像や演技とかテクニカルな面は勿論のことで、映像には見惚れ、キャラクターたちには惹き込まれ、その世界を強く感じさせて貰いました。

それとは違う話の部分で挙げていきたいなと思います。

「天気は天の気分で人がどうこうできることではない。」
「もともと人とは神様から大地を借り受けている。」

このあたりに自分はわりと感じいってました。
え!?そこ!?となると思いますし、自分でもそこ!?と自分にツッコミますが、
感じたものはしょうがない(笑)

自分達の生きている場所は借り受けている場所で、地球は自分達が用意したものではないし、そこに住む自分達が我が物顔で好き勝手していることって本当傲慢で、それに対して天が怒り人々に罰を与えても、それはとても自然なことで、過ぎたことをした罰が当たったんだという感覚に自分はなりました。
なんかこの劇で終わるものでなくて、今の異常気象やら、自分達人間の立ち位置的なものを感じましたね。

そして

「人は青空を見ると心が晴れる。」
「陽菜(天気の巫女)は空に繋がっている。」

といった部分で、ここで個人単位でなく本当に多くの人々が天候気温等環境に依存している受動的な存在であることや、天気の巫女なんて大層なものじゃない人たちもまた空(世界)に繋がっているといった部分に、本当そうだよなぁって思い、人は個性的だけども、人という種はやはり共通して人なんだよなぁっていう、集団意識(?)みたいなものに、色々な差別や国云々なんて人が作り上げた小さな概念を超えて、人は人なんだな的な感動を憶えてました。

その上で、こうした大きな視点を感じた上で、
「俺は天気(世界)がどうなってもいい!」
と言うクライマックスの帆高の台詞ですよ!!

めっちゃ自分勝手、めっちゃ身勝手、めっちゃガキ(誉めてる)!!
でもさ、そこが何か人間味っていうか、人間だって本能を持った動物で、世界がどうだとか人類皆一緒とか色々もあるけども、自分の気持ちを最優先に生きていい。
だってそれも人ってものじゃない?って感じがして
『好きなこともっと真剣にやらなきゃ勿体なくないか?』

みたいなメッセージとして自分には突き刺さりました。
なので自分は『最高の刺激』と表現すると大きすぎるかもしれませんが、確かな刺激を与えてくれたこの作品がとても良かった!素晴らしい作品だった!!と感じています。

細かい考察よりもこうした”感じる”ほうが自分は好きなので、そっち方面が書かせて頂きましたヽ(>ヮ<)ノ

思い出しながら書いてるので、細かいところ間違ってたら申し訳ないですし、解釈本当はこっちじゃない?的な話もあると思いますが、自分が感じたことはこれだったということで、ご容赦頂ければと思います。

話を要約する上で、二人が中心の物語であることと厄介さを排除する為、あえて帆高と陽菜以外の名前は削除しましたが、 サブキャラクターもとても魅力的で、そこにドラマもありました。

サブキャラクターを語りたい!

須賀
都内で独立しているが売れていないライター・ 須賀圭介

最初から恩着せがましかったり、色々自由に生きてそうな雰囲気を強く与えてくる彼ですが、本当に基本は自由に生きてきた人です(笑)

ただ彼にもドラマがあり、若い時に東京に出て奥さんと大恋愛して結婚し、娘もおりますが、奥さんが早くに無くなり、娘は母側の実家へ引き取られており、喘息持ちです。
彼は好き勝手に生きてますが”娘と一緒に暮らしていきたい”という強い気持ちがあり、そのために自分の生活改善だって行っていってます。

そんな彼はこの作品で一番”大人でありリアリスト”な存在だと感じました。

「一人の犠牲で世界が良くなるなら俺は願ったり叶ったりだ。皆そうだろ?」的な発言だったり、他人の帆高よりも自分の生活や娘を優先する優先順位の付け方だったり、多くの理性的に考えたら”正しい”選択をたくさんとっていきます。

最後に帆高を援護する場面もあるのですが、それこそ昔の自分を重ねていた”帆高”や、全てを知りつつも”助ける方向には動かなかった”ことへの罪悪感に苛まれて、”その場の感情”に流されてと言えばそうだと思いますし、そうした人間らしい大人で、自己投影しやすい人物だと思います。

わかる、そうだよなぁ、そう思うよなぁ、そうするよなぁと作中ずっと感じていて、とても物語に入りやすくしてくれた人物だと思います。

夏美
須賀圭介の姪で、就活中の女子大生…夏美

物語で重要かと言われれば悩ましいところですが、彼女が映画の中での明るさ担当で、ところどころ物語を加速させる為に、引っ張っていく役を担っていたと思います。

また新海誠のDTムーブをかます上では、とてつもなく大事な役割を担っていたと思います。

わりとどこにでもいそうな、ポジティブな女子大生で人思いな優しい女性でもあります。

主人公の16歳ということもあり、帆高をからかったり応援したりするお姉さんムーブはとても良かったですね。

就活の成功祈っております。

凪
陽菜の弟でありシティーボーイ・天野凪

彼は陽菜という人物を見せる為に欠かせない存在です。
お姉ちゃんが自分の為に頑張っていることを知り、最大限”幸せ”な自分を作りあげてきており、とてもお姉ちゃん子で、お姉ちゃんを最優先に考えている子です。

スポーツ万能、成績優秀、女の子にも優しく、元彼がいて彼女がいて、っていう”良い男代表”子供の姿じゃなければいけ好かない奴間違いなし(偏見)っていう人物です。

そんな人気者で間違いない彼ですが、 ”晴れるサービス”の日にはついてきて応援してくれたり、物語終盤でもなんとかお姉ちゃんと、お姉ちゃんと両想いな帆高を応援する為に奮闘します。

こうした弟がいる事で、 陽菜という人物が、本当に努力している子であり、良い子であることが伝わってきたと感じます。
恐らく素行もいいので家族仲も良好だったんだと推察できるかと思います。

感想としては以上です。

作品て制作側にも表現したいことがあると思いますし、それをそのまま受け取ることが読解力かと思いますが、見る側も今の自分の状況や気分でその受け取る内容が変わるかと思います。恐らく数年後自分が見たらまた違う感じ方するかなと思います。

皆様にとってどんな作品になったのか、とても興味がありますので、もし気が向いた方はコメント頂けたら嬉しいです。

▼画像は下記シネマトゥディ様が掲載されていたものをお借りしています。
クレーム入った場合消すか変えるかします。▼
https://www.cinematoday.jp/page/A0006751

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